
社員一人ひとりが自ら希望してリクルートマネジメントスクール チケット制サービス(旧:リクルート ラーニングクラブ)に参加し、継続していくためには、会社として学びの心に火を点し、フォローアップしていくことが必要です。河合塾マナビスでは実際にどのようなことをしているのでしょうか。人材開発部部長の渡邊光祥様と人材開発部教育システム開発課課長の谷口淳様にお話をうかがいました。
弊社の事業である大学進学支援サービスは、人材力が全て、といっても過言ではありません。人を育てて適切なマネジメントを行えば人と組織は成長し、大きなチャンスを得ることができる。人材育成は、いわば大きなリターンが期待できる投資です。そういう考えから、創業したばかりで収益が出ないときから、社員教育には力を注いできました。これは私自身が教育を重視する上司の下で働き、実際に教育の恩恵を受けてきたことで、その大切さを実感しているからです。そして、人材育成の重要性については、社員総会など折に触れて話をしています。
弊社の教育は、4つの柱があります。OJT、OFF-JT、育成を目的とした人事異動、そして4本目の柱が自己啓発です。
「河合塾マナビスでは、5月と10月に上司と部下が評価や将来のキャリアに向けての面談を行う機会を以前から設けていました。ここに自己啓発の要素も組み込むことにしました。『自己開発計画シート』を作り、今期受講した研修についての振り返りと、次期の受講計画を記入し、さらに上司のコメント欄も設け、ねらいやポイントなどを書いてもらいます。上司も部下の受講計画を把握でき、現場に戻ってから仕事に活かす後押しにもなります」(谷口様)
学習効果と継続という観点で大切になるのが、PDCAをまわすこと。育成面談(plan)を行い、受講(do)し、「受講後レポート」を記入(check)、そして現場で業務にどう活かすのかを上司がアドバイスしながら実践する(action)。この仕組みにより、個人の受講が会社に組み込まれ、リクルート ラーニングクラブの効果的な利用につながっています。
また、受講講座選択の補助ツールとして「課題チェックシート」も活用。自分の課題を発見し、その課題にあった研修を選ぶツールとして利用しています。
社内報を隔月で発行している河合塾マナビス。社内報には、「マナビス キャリアアップ」というコーナーを設け、毎回、リクルート ラーニングクラブ受講社員1名にスポットを当てて、受講理由や学んだこと、仕事にどう活かしているのかなどを紹介しています。
「新入社員を取り上げた時には、新入社員の受講申し込みが増えました。たぶん、同じ悩みを抱えていて、受講することで克服できるということに気付いたのだと思います」(谷口様)
同じ号には「新入社員に人気の講座」のランキングを掲載。こういったちょっとした情報も、受講を継続させるきっかけになっているようです。
また、2013年度下期からは「管理簿」を導入。誰がいつどの講座を申し込み、いつ受講するのか、受講7日前連絡は完了しているか、受講後レポートの提出期限がいつで、提出されているかといったことを管理し、フォローアップしています。
「上期は管理簿が間に合わなかったため、レポートが未提出でも見過ごしてしまっていました。学びの復習を行わなかった場合は、せっかくの効果が減少してしまったかもしれません。管理簿ができてからは、フォローの連絡を入れられるようになり、レポート提出率はほぼ100%になりました」(谷口様)
連絡はメールで行っていますが、レポートの催促をしながら、次の講座受講を促すなどの工夫もしているそうです。
また、管理簿の導入には意外な効果がありました。受講講座のランキングが一目でわかるようになり、OFF-JT研修に取り入れてない系統の講座がとても人気があることが判明。社員のニーズをつかむと同時に研修体系を見直す一助にもなっているそうです。
リクルート ラーニングクラブを導入後、予想外のプラス効果が数多くあったそうです。
その筆頭が「受講後レポート」。受講後の簡単なアンケートとともに、自分の言葉で「受講して学んだこと」や「業務に取り入れたいこと」などの報告を行うものです。
「これにも上司のコメント欄を設けました。上司は部下の状況やそれをどう仕事に活かせばいいのかということを本気で考えていないとコメントが書けないんですね。これまでは、年2回の面談のときに育成について話し合ってい
たものが、部下の育成を継続的に考えるようになったようです。また、コメントを書くことで、上司自身も成長しています」(谷口様)「受講後レポート」と「自己開発計画シート」が、上司と部下のコミュニケーションツールにもなっているそうです。
「実は、採用活動にも非常に役立っています。教育業界を志望しているためか、採用面接の際、リクルート ラーニングクラブも含めた人材育成体系を説明すると、皆さん、とても興味を示します」(渡邊様)
小規模多事業所展開をしている河合塾マナビスでは、情報の共有を大切にしています。毎週の経営幹部による会議や校舎長会議、隔週のブロックミーティングなどを行っていますが、そういった場で自己開発研修についても受講状況を共有しています。使われているのが「自己開発研修 講座受講・申込状況」。各校舎別に受講対象者と受講者数が一覧できる表にまとめてあります。また、受講と申し込みを累計にした「人気講座ランキング」や、受講数の多さでランキングした「個人別受講講座数」などの情報も掲載しています。
「ある校舎では熱心で、ある校舎では受講者が少ないということが出てきます。ブロックミーティングでは、受講してよかったことや仕事にどう結びつけたかということを発表しています。それを聞いて、ほかの校舎のメンバーも『受講してみよう』ということになります。また、なぜ受講者が少ないのかを考えるきっかけにもなり、環境整備の改善にもつながります」(谷口様)
最後に、今後の取り組みについてうかがいました。 「弊社は事業の目的として『当面の目的はひとつ上の現役合格。究極的には生徒の自立を目指す』と掲げており、生徒に自立を促すからには、社員一人ひとりが自立していることが必須であると伝えています。今後も『自ら学ぶ意識を醸成する』ために、繰り返しメッセージを伝え続け、リクルート ラーニングクラブを含めた人材育成施策をもっともっと活性化させていきたいですね」(渡邊様)
「現在、社内報では1人をクローズアップしていますが、そのほかにひと言コメントの掲載により多くの受講者の声を載せたり、受講後レポートから『マナビスの仕事のお役立ち講座』をまとめるなど、学び続けられる仕掛けを充実させていく必要がありますね」(谷口様)
現在、リピート率は7割。「メールが主流の受講後のフォローについて、今後は、電話や面談など、もっとヒューマンな要素を取り入れるなど、リピート率がさらに高まる方法も考えています。人材育成は、手を打たないと止まってしまう、その意識で取り組み続けていきたい」とのことでした。
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